「シンメトリック シンパサイズ」 @
「お兄ちゃーん、早くしないと遅れるよー!」
「初音、ちょっと待ってて。 忘れ物が・・・」
「もう!先に行ってるからねっ」
僕の目の前に広がるのはいつもの日常の光景。
僕はいつも忘れ物をしては学校を遅刻していた。
そして僕はいつも、初音の後を追っかける。
その曲がり角で初音に追いつくんだ。
そこには初音の振り返る姿が・・・
「ほらっ、急いだ急いだ」
上半身が下半身となった初音がそこにいた。
襟元にはアソコが見え、スカートから初音の顔がのぞいていた。
ただ、手足は入れ替わっておらず、まるで逆立ちしているようで普通に立っている。
僕はその異形の姿に戸惑っているうちに
初音はどんどん遠くへいってしまう。
そう、果てしなく遠くへ・・・
「初音ッ!」
「あら、やっと起きたのね」
いつの間にか、僕はベッドの上だった。
どうやら今までのは夢だったらしい。
妹があんな変わり果てた姿になってることも夢であったらいいのに。
だけど、僕がここにいるっていうことは、どうやらそれは夢じゃないらしい。
「あなた、寝言で初音ちゃんのことをずっと呼んでたわよ。
ふふっ、そんなに会いたい?」
切れ長の目で後ろに髪を束ねた女性医師が問いかけた。
もちろん、初音に会いたい。
会って謝り、抱きしめたい。
だが、
「会いたいけど・・・初音は・・・もう」
「そう、初音ちゃんは自分が好き。
その気持ちを尊重してあげないといけない。
でも、それでいいの?」
「・・・どういうこと?」
「もう二度と会えなくなるのよ」
僕たちがまだ幼い頃、僕たちの親は交通事故に遭い死んでしまった。
幸い親戚に引き取られ育ってきたけど、おじさんもおばさんも病気で死んで
今はその遺産で僕たちは生計を立てて生活していた。
僕たちは常に一緒だった。
初音が笑ってる姿、寝てる姿。
初音が好きだ。
ずっと一緒にいたい。
「あなたは妹に好意を寄せていた。
妹としてではなく、一人の女の子として。
愛したい、繋がり合いたい、一つになりたい。
例えそれが許されぬ事であっても」
そうなのか?
僕は、妹に恋してる?
「いいのよ。 相手が妹だからって、自分に嘘をついちゃいけないわ。
但し、あなたがあのコを振り向かせることができるならね」
そうだ、僕は初音が好きなんだ。
離れたくない。 妹としてではなく、彼女として。
僕は決心した。
初音に、会いたい。
そして僕の想いを伝えるんだ。
「・・・それには、どうすれば?」
「会うのね。 それがいいわ。
そうねぇ、コレでもう一回眠ってもらえるかしら?
起きたらすぐに分かるわよ」
その女性医師は注射器を僕の腕に刺し、何かを注射した。
僕は再び深い眠りについた。
どれくらい眠ったのか分からないが、僕は手術台上で目を覚ました。
「どう、よく眠れたかしら?」
僕は『はい』と言おうとした。が、
口が、動かない。
それどころか、口の感覚がない。
うなり声すらもあげられない。
な、なんだ、これは。
何かが変だ。
僕は口の辺りを触ってみた。
すると口の部分に硬い突起物を感じた。
目を凝らしてみると、
そこには口ではなく、逆向きに勃起した男性器があった。
「驚いた? 予備として
あなたのオチンチン、培養しておいたの。
どうかしら? 感覚もあるはずよ。
あなたの喉は精管と尿道になってるから、もちろん射精もできるわ。
それだけじゃないのよ。 あの鏡で今の自分の姿、見て御覧なさい」
僕は恐る恐る、自分の姿を鏡に映して見た。
そこには、初音がいた。
僕は頭がおかしくなったのか?
漫画じゃないけど、僕は懸命に頬をつねった。
頬が腫れるぐらいに。
「あなたの体、ものすごく華奢だったから
女体化にはもってこいだったのよ。
それにただの性転換手術じゃないわよ。
顔も、オマンコも、スリーサイズもすべて、初音ちゃんそっくりに
あなたを作り変えたの」
どうして?
一体何のために?
僕はこの女を含め、この団体の意図がさっぱり分からなかった。
「どうしてって、あなたがしたいようにしてあげたんじゃないの?
あなた、初音ちゃんとエッチしたいんでしょ?」
何を言ってるんだ? 好きっていうのはそういうことじゃなくて・・・
「そういうことじゃない。 初音ちゃんはトルソーっていって
エッチしか出来ない体になってるのよ。彼女もそれを望んでるはずよ。
しかも彼女、自分自身が好きだからあなたを彼女そっくりに改造してあげたじゃないの」
?
???
僕の心が読まれてる?
「今頃気付いたの?
あなたが取り押さえられた後、あなたの脳にITTUを埋め込ませてもらったわ。
インタートーキングトランスレートユニット。これがあれば初音ちゃんとの会話にも困らないわよ」
その女医師は僕の口性器を指でなぞり、
「とにかく、あなたを初音ちゃんに会わせてあげるわ。
彼女専属の『調教師』として。 彼女を深く愛してあげてね」
彼女は僕の鈴口にキスをし、颯爽と立ち去っていった。
一人取り残された僕は、武装した警備員に両腕を掴まれ、とある場所に向かって連れられていった。
本当に、これでいいのだろうか。 僕は・・・

「シンメトリック シンパサイズ」 A
僕が警備員に連れてこられたところは、あのプールサイドだった。
数人のトルソーがいる中、初音はそこにいた。
前に見たときよりは、その異形の体で歩くのも慣れたのか、
しっかりとした足取りでこちらに向かって歩いてくる。
初音の口ペニスにはべっとりと精液がついているため
プールの反射光に照らされて妖しく光っている。
(はじめまして、もう一人のあたし。これから、ずっとずっと一緒だね)
僕はなるべく考えないようにした。
あの女性医師の言っていることが本当だったら、僕の思っていることがそのまま
彼女に伝わってしまう。
本当は僕なんだっていうことを悟られないために。
もし分かってしまったら、僕は初音に嫌われてしまうかもしれないから。
(さあ、こっちにきて)
初音は僕の手をとり、離れにあるシャワー室へと向かった。

シャワー室に入った僕らは、お互いに向かい合った。
僕の目の前にいるのは、変わり果てた姿になった初音の姿だけど
僕の妹であることには変わりない。
どんな姿になっていようとも、僕は初音が好きだ。
愛しい、初音。
(私もあなたの事が好きよ。 だって、<私>なんだもん。 けど妹ってなに?)
・・・!
久しぶりに再会して気が緩んでしまったのだろうか。
僕は再び自分の心を押し殺した。
(緊張しないでね。 言いたいことがあったら遠慮なく言って。
じゃあ、はじめましょ)
初音は笑顔で僕を抱きしめ、おもむろに彼女はアソコを広げた。
(さあ・・・来て・・・)

「シンメトリック シンパサイズ」 B
僕の眼前には初音の秘部があり
彼女は何の躊躇いもなく、それを拡げていた。
彼女の秘部は、綺麗なピンク色をしている。
(ふふ、どう? 残念だけど私の処女は私が頂いちゃったの。
あなただけは特別に入れてあげる。だって、あなたは私なんだから)
彼女の秘部からはとめどなく愛液があふれ出し
初音は待ちこがれるかのように彼女のクリトリスをいじり始めた。
これでやっと、初音と一緒になれる。
しかし僕が望んでいたことを目の前にして、僕は立ちつくしていた。
(早くしてよぉ、ほら)
彼女は僕に抱きつき、僕の顔ペニスを秘部にあてがおうとした。
しかし、僕はとっさにその手を振り払った。
(・・・えっ?)
初音を騙してまで、一緒にいることなんて耐えられない。
初音は自分自身じゃなく、僕を愛してほしい。
僕は彼女に対して強く念じ始めた。
(・・・初音、僕だよ! お兄ちゃんだよ)
一瞬、静寂がその場に広がった。
(・・・お兄ちゃんなの?)
(・・・ずっと黙っていてゴメン。初音と離れたくなかったんだ。
初音とずっといたくて・・・だからこんな姿になって・・・)
(お兄ちゃん・・・)
僕は初音を強く抱きしめ、叫んだ。
(初音!僕は初音を妹としてじゃなくて、一人の女として愛したいんだ!
小さい頃からずっとそう思ってた。 けど妹だからって
自分の想いをずっと押し殺してて。 でも自分の気持ちが押さえられないんだ。
今更無理なお願いだと思うけど、もし無理でも、お願いだから・・・せめて・・・
・・・頼む、そばにいさせてくれ。 どこにも行かないでくれよ・・・)
一粒の涙を流し、僕はその場にへたり込んだ。
初音はその場にうずくまる僕をなだめるかのように深く抱きしめ、
僕の頭をなでた。
(ありがとう・・・お兄ちゃん。 そんなに私のことを思ってくれて。
私もお兄ちゃんのこと、好きだよ。
けどね・・・ これが私の中での結論なの。
私は私しか愛せない。 だから本当に・・・ごめんね)
彼女は僕の髪をなでる手をそっと、僕のうなじに添えた。
(けど、一つだけ方法があるの。
それはね、お兄ちゃんが私になること)
カチッ。
僕の頭の中に何か機械的な音が響いた。
(初音と一緒にいられるんだったら・・・それで・・・かま・・わ・・・な・・・)
視界がだんだん暗くなってゆく。
初音の声も、僕の意識もだんだん薄らいでいく。
そうか・・・そういうことか・・・僕は・・・
神の叡智の研究室にて。
「んで林先輩、今回の実験って?」
「トルソー同士でのデータ同期の実験よ。
従来のトルソーは通信がうまくいかなくて。
だからあの二人にはその実験体になってもらったの」
「へぇ」
「彼には同期モードのスイッチが付いてるの。
ほら、うなじのここあたり。
このスイッチをONにすると、意識、感覚すべてに至るまで
二人がリアルタイム同期を取るのよ。ただし、その場合彼女がHostになるけどね」
「つまり、彼は彼女の体の一部になる、ということですか?」
「そういうこと。 面白いでしょ?」
ブンッ。
モニターに映像が映り込まれた。
「おっ、早速始まったみたいですよ」

「彼女、意外とせっかちなのね。
まぁいいわ。このまま連続で256回エッチしてもらいましょ。
それで同期が92.5%までとれたら、実験は成功ね」
「うわぁー・・・それはキツイなぁ・・・」
「シンメトリック シンパサイズ」 C
・・・
・・・ハァ、ハァ・・・・
もっと、激しく突いて・・・
そう・・・そこ・・・
私・・・貴方の事が好きよ・・・
これで、ずっと一緒だね。
私の口ペニスもおマ○コも、『私』の口ペニスもおマ○コの快感も
全て私に・・・そう・・・全部私のモノになったわ。
けど・・・何だろ・・・この空しさって。
何か、自然に涙が出てくるの・・・
何で・・・私は貴方にずっと会いたかったのに
何でこんなに、悲しいの・・・?

おわり。